脚を失って得るもの

久しぶりの投稿になりますね 苦笑...

季節も8月に入り、お盆休みを控えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

当院は例年と同じでお盆も診療を行っています!

ただ、ホテルのお預かりはすでに満杯となってしまっているので今からの受付は難しくなっていますのでご了承ください... m(_ _)m

 

さて、先月骨肉腫を疑った甲斐犬の子の断脚手術と術後の抗がん剤治療を開始しました。

左上の写真にで膝に近いスネの骨がボコボコして、スカスカになってきているのが分かりますでしょうか?

骨膜反応、骨増生を起こしているのですが、一方で骨破壊も進行しており、痛みが強く出て体重をかけることができません。

また、このまま放っておくとやがてこの部分で病的骨折が起こります。

四肢にできるこのような骨病変で最も疑われるのが『骨肉腫 Osteosarcoma』となります。

手順的には全身麻酔下で骨生検を行って、病理診断を行って.....となるんですが、一番疑われる骨肉腫であろうとその他腫瘍であろうと結局はこの“痛み”を早急になんとかしてあげないといけません。

そこでオーナーと相談の上、事前診断を飛ばしての断脚術を実施しました(右上は縫合後の写真ですがモザイク処理をかけています)。

左下は提出した病理組織写真ですが、結果的に当初の予想通りの『骨肉腫』との診断が下りました。

術中も術後も麻薬性鎮痛剤をしっかり使っていましたので、こちらが予想してたよりもペインコントロールができており、退院後も器用に3本脚での生活が送れているようで、まずは第一段階クリア♫

次にこの骨肉腫...相当悪い腫瘍なんで外科手術単独、つまり断脚だけを行っても予後はとても短い腫瘍だということがわかっています。

この子は幸い、術前の肺への遠隔転移やリンパ節転移を起していませんでしたが、少しでも長くご家族と一緒の時間を送るために術後の補助治療として抗がん剤投与をスタートしました。

いくつかの抗がん剤治療がありますが、本人のキャラクター性や副作用を考慮して、カルボプラチンという抗がん剤を選択しました。

今後は3週間サイクルでの通院治療とする予定です。

 

ご家族にとって愛犬が脚を失うということはとても受け入れ難い現実です。

飼い主さんによっては是が非でも断脚を拒む方もいらっしゃいます。

僕はそれを否定はしません。

断脚なんて痛くてかわいそうだ!っておっしゃられた方もこれまでいましたが、よく考えてみてください。

断脚していない今現在がとにかく痛いんです‼︎

どんな手術だって痛みが生じるのは当たり前のことなんで、僕らは痛みのコントロールを徹底して行っています。

今回手術した子も仮に断脚を選択しなかったとしたら、ほとんど効いていないようなお薬をずーっと飲み続けて痛みに悩まされた毎日を送ることになっていたと想像されます。

もともとあったものを失うということは耐え難い事実ですが、脚を失って得る幸せがそこにあるのもまた事実です。

 

少しでも快適な余生を送れるように僕らも微力ながら応援していきたいと思います!

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