巨大結腸症の原因は?

連日暑い日が続きますが、みなさん体調は崩されていませんか?
熱中症の注意喚起が年々浸透してきたのか、この夏は重症の子は診ていません。

まだまだ10月くらいまでは十分に注意してください!

 

さて、今回は『巨大結腸症』で便秘になってしまった子の紹介です。

猫では結構多いんですが、この子は鼻ペチャの短頭種であるフレンチブルドッグです。

6月くらいから“便秘”になってきて、緩下剤などを使ってきましたが、まったく効果はみられず、ここ2週間ほどまったく排便ができていませんでした。

痩せてきて、お腹を触るとカチカチになったうんちが触れます。

レントゲン写真からは黄色でなぞった結腸内に便が溜まっている状態が確認できました。

 

全身麻酔下で開腹したところ、回腸から下行結腸に渡って宿便があり、結腸の一部を切開して溜まっていた便を摘出しました(なんと400gです‼︎)。

これで排便ができるといいのですが、この子は糞塊を除去した後も腸の動きがよくありません...

最終的には「結腸亜全摘」or「全摘」or「 回腸の位置から直腸手前まで切除・吻合」を行わないといけないかもしれません。

ただ、結腸は限られた血液供給しかない腸であるため広範囲の切除・吻合部位の離開や壊死を起こしてしまうリスクもとても高い部位です。

また、結腸を切除するということは本来の役割である糞便の水分吸収を行う場所がなくなるということですから、術後は慢性的な軟便もしくは下痢が続きます。

 

では、なぜこのフレブルちゃんは巨大結腸症になってしまったのかレントゲンとにらめっこして考えてみました。

実は半側椎骨(hemi-vertebrae)という短頭種では珍しくない脊椎の奇形がありました(ピンクの丸で囲ったエリア)。

これは胸椎や腰椎でよく見られるもので、これが原因となって脚の麻痺や痛みを起こすことがあります。

この半側椎骨がこの子にはL7(第7腰椎)とS(仙椎)にも確認されました!

※ よく「二分脊椎」と混同されることがありますが、ともに脊椎骨の融合がうまくできなかったものですが、二分脊椎は棘突起が左右に2つずつ認められますのでレントゲンでの鑑別は可能です

ちょうどこのL7-S領域の脊髄(正確には“馬尾”神経といいます)からは膀胱や直腸などに走る自律神経が分岐していますので、もしかしたらこのhemi-vertebraeのため神経を圧迫?して腸管の動きに問題を起こしているのかもしれません。

 

術後はすこぶる元気で食欲もあるのですが、如何せんまだ排便が確認できていません... orz

食餌と内科療法を併用して経過を追っていきたいと思います。

 

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