ワンちゃんを飼われている方なら一度は経験したことあるでしょう、耳のトラブルについてのお話。
俗に言う“耳垢”はどんな子でも必ず認められます。
生理的に出る耳垢は耳道の中の皮脂腺と古くなって剥がれた上皮が混じり合ってできます。
定期的にケアをすればなんら問題はないことですが、伸び放題の耳毛の存在やシャンプーなどで水が入ったりして耳の中の環境が悪化すると、普段は悪さをしない細菌や真菌によって炎症を起こすためドロドロ・ネバネバの耳垢に加えて、『かゆみ』や『赤み』が出てきます。
また、近年増えている印象がある食物アレルギーやアトピー性皮膚炎も耳のかゆみを訴える子が多いので痒がります。
慢性的な耳の炎症と掻く行為によって、耳道の入り口は肥厚と狭窄・閉塞を起こすようになり、耳道の通気性も悪くなっていきます。
こうなると洗浄液や点耳薬も入らなくなるので内科治療は難しくなっていきます。
よく受けるご質問で、「耳の中の炎症が治れば、この腫れや狭窄は元に戻りますよね?」と聞かれます。
答えは、、、NO!です。
この耳道の肥厚や狭窄は不可逆的な変化なため、一旦ここまで悪化してしますと決して元のような形状には戻りません。
犬猫の耳道の構造は、垂直耳道と水平耳道になっており(簡単にいうとL字型)、その奥に鼓膜が存在します。
今回の子は3kg弱のマルチーズですが、もう何年も外耳炎の治療を続けていましたが左写真のように入り口が狭窄してしまい、一番細い綿棒ですら入らなくなってきました。
そのため垂直耳道の外側を切除してオープンにすることで右写真のように水平耳道が確認できるようになりました。
この手術の目的な外耳炎を完治させることではなく、その後の耳のケアをしやすくすることにあります。
もちろん耳の機能は損なわれません!
慢性的な外耳炎をいつまで内科治療で引っ張るのか...
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