おしっこが漏れてきます...

先日膀胱と尿道内に結石があって尿の出が悪くなったワンちゃんの手術をしました。

膀胱を切開して、レントゲンに写ってた細かい石はすべて取り除き、術後数日が尿道カテーテルを入れて持続排尿させ、カテーテルを抜いた後も自力排尿ができて退院しました。


しかし、退院して2,3日後にポタポタと尿がペニスから漏れてくるようになりました(尿漏れ・尿淋滴)。

飼い主さんはオムツを履かせて対応してくれていましたが、もともと外でオシッコをする習慣だったのに外に連れ出してもしません...

尿はきれいな?(オシッコにきれいも汚いもないわー‼︎とツッコまれそうですが...)色してるんですけどなぜか尿が漏れてくる...


この子は症状や状態から『膀胱アトニー』と診断しました。

この記事を書くにあたってネットで検索してみると膀胱アトニーの解説が「排尿筋の緊張および膀胱の収縮機能の欠如」となっていますが、これは間違いですね。

『アトニー Atonie(ドイツ語)』とは「本来緊張が衰え、消失した状態。無力症や無緊張症』と定義されていますから、膀胱アトニーとは「排尿筋の弛緩および膀胱の収縮機能の欠如」と訂正すべきですね!


この子は高齢で後肢の不全麻痺もみられる子で、飼い主さんがご自宅で下腹部を圧迫したところ、尿がポタポタ出ていました。

膀胱アトニーの子(LMN性膀胱麻痺)は外尿道括約筋が緩んでいる(例えるなら、水道の蛇口をきちんと締めていない...と思ってください ww)ので、圧迫排尿が容易ですが、椎間板ヘルニアが原因の排尿障害(UMN性膀胱麻痺)で膀胱が緊張してパンパンになってるケースでは外尿道括約筋は収縮しているのでいくら圧迫排尿しても尿は出ませんし、尿道カテーテルだってなかなか挿入できないんです。

難しい話ですが 汗...、UMN性膀胱麻痺とLMN性膀胱麻痺では同じ神経性の麻痺でもまったくメカニズムが違うんですよね〜


治療はカテーテルを入れておくか1日に何回か圧迫排尿といった方法がありますが、今回は膀胱を収縮させるお薬で反応を見てみることにしました。

このお薬ではよだれや嘔吐が副作用でみられるんですが、案の定よだれがひどかったみたいです... orz
膀胱アトニーは尿石や膀胱炎から発症することもありますが、この子の場合は後肢の麻痺との関連性が強いかもしれません。

まだまだ治療は続きそうです...

↓に参加しています。ポチッとお願いします♫