腫瘍の治療とは?

寝ていると呼吸が荒い...とのことで来院したワンちゃんのレントゲン写真です。


ちょっと分かりづらいので黄色の丸で囲んだところに“しこり”が見つかりました。

加えて、胸水もあるため肺が膨らみにくくなっているので呼吸がし難いんですね...


胸水を少し抜いて沈殿物を塗抹標本したものが下の写真です。

目玉みたいな大きい塊や小さな細胞が寄り集まっています。

この細胞診の結果、この子は「癌」に侵されていることがわかりました。

レントゲンで肺にしこりがあることから原発性なのか転移性なのか...になりますが、他の検査ではどこにも転移を起こすような病変が見つからないことから、肺原発の悪性腫瘍(肺腺癌)の可能性が高いことになりました。


腫瘍の治療の3本柱は、①外科手術、②化学療法、③放射線療法です。

他に+αとして、免疫療法、BRM療法(生物学的療法)、分子標的薬療法、温熱療法、光線力学療法などありますが、基本的には人間も動物も、今も昔も、『手術』『抗がん剤』『放射線』が腫瘍の3大治療法に変わりありません。


ただ、手術ができないケースもあれば、放射線が当てられない場所もあります。抗がん剤だってどんな腫瘍にも効くわけではありませんし、副作用もきちんと認識しておかなくてはいけません。

大事なことは、上記の3大治療法+αでその子の悪性腫瘍を根治できるのか?それとも緩和療法・対症療法でいくのか?またはそうせざる得ない状態なのかを僕ら獣医師は飼い主さんとしっかり相談して方向性を決めていく必要があります。

なんでもかんでも切ればいいわけではないし、何をやっても無駄...ってサジを投げてもいけません!

モノが言えない動物たちに代わって、獣医師と飼い主さんとでその子にとってどの選択が一番なのかを決めていきます。

どれが正しいのかは実のところわからないとは思いますが、後々悔いの残るような選択だけはしたくありませんね。

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