皮膚および食物アレルギーと新しい治療方法

昨日は午後を臨時休診とさせていただいて、犬猫のアレルギーについての知識と情報をアップデートしてきました!

みなさんがよく耳にするアレルギー反応の代表格に「スギ花粉症」がありますね。

春先に飛散したスギ花粉を吸引したり粘膜に付着したりすることで、くしゃみや涙などの症状を引き起こす、もはや日本人なら4人に1人はなっているというデータもある“国民病”として認知されています。

スギ花粉症は大きく4タイプあるアレルギー反応のⅠ型アレルギー即時型過敏症ともいいます)に分類されます。

ちなみにツベルクリン注射で接種部位がぷく〜っと腫れてくるのはⅣ型アレルギー反応です。


Ⅰ型アレルギー反応のメカニズムを解説すると、経口摂取や皮膚曝露を含めて体内にアレルゲン物質が侵入してくると、異物を捕食したマクロファージという細胞から得た情報をリンパ球のひとつであるT細胞が受け取って、もうひとつのリンパ球であるB細胞が認識してIgE(免疫グロブリンE)という抗体を産生し、肥満細胞や好塩基球に働きかけてヒスタミンなどの炎症性メディエーターを放出して痒みや発赤などのアレルギー症状がでます。

ワンちゃんやネコちゃんのワクチン接種で顔が腫れたり痒がったりするワクチンアレルギーもこのⅠ型アレルギー反応のひとつです。

注射後の数十分から数時間後に症状がでて病院に戻ったことあるよ!...ってご経験ないでしょうか?(ない方がいいんですけど... 苦笑)


今回のセミナーで得た最新トピックスとしては、「経皮的に食物アレルゲンに曝露されると感作が成立し、適切な量とタイミングで経口摂取された食物はむしろ免疫寛容を誘導する」というものでした。

つまり、皮膚からでもアレルゲン物質に曝露され続けると食物アレルギーを発症し、アレルゲン物質をちょっとずつ摂取していくとだんだん体に馴染んできてアレルギー反応を起こさないよ!ってことです。

ポイントは皮膚からでもアレルゲン物質の侵入を許すと、その物質に対して口から食べても同様にアレルギー症状=食物アレルギーになってしまう、という点です。

人よりも皮膚が薄い犬や猫ではよりアレルギー反応を起こしやすい?ってことかもしれませんね。


皮膚アレルギー疾患の治療としては、①皮膚のバリア②アレルゲン物質からの感作を減らす③炎症を抑える、の3本柱で臨むと考えられています。

①は角質脂質帯へのセラミドの補充、②は低分子タンパクおよび加水分解タンパク食による除去食の給餌と減感作療法、③は局所の外用ステロイド薬の塗布となります。

減感作療法は古くから皮膚に濃度を調整したアレルゲン物質を注射していき徐々に体に馴らしていくというものが主流でしたが、近年人でもスギ花粉に対して舌下免疫療法という治療法が行われているのを聞いたことがあるのではないでしょうか?

犬・猫も同様にあらかじめ特異的IgE抗体検査で陽性のアレルゲン物質れが含まれた液体を口腔内粘膜に投与することで徐々に免疫寛容状態にもっていくという自宅で行うことができる新しい減感作療法です。

さらに、慢性化したアトピー性皮膚炎を起こしている場合では細菌やカビの侵入も重なってなかなか薬物療法ではコントロールができないケースもみられますが、MMDパルス外用療法というセラミド補充と局所への外用ステロイド薬の塗布を細菌やカビを抑える薬用シャンプーと一緒に併用する方法を1週に1回の頻度で1~2ヵ月間行うことによって治療を行う方法もちらほら始まっています。


梅雨入りも間近で、これから皮膚トラブルが増える夏を迎えるにあたって、なかなか治らない皮膚病を抱えている方は一度ご相談ください!

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