椎間板ヘルニアの内科治療

どんなジャンルにでも“流行り”ってものがありますが、国内でいま一番の人気犬種といえばトイプードですね。

ひと昔前に流行った(ちょうど僕が獣医師になった頃ですので10年ほど前でしょうか)ミニチュアダックスフントはホント少なくなりました。


M.ダックスの好発疾患といえば、『椎間板ヘルニア』ってのはよく知られていますよね?
椎間板ヘルニアには大きく分けて2タイプあります。


椎体と椎体の間には椎間板と呼ばれるクッションの役割をする構造物があります。その椎間板を輪切りにすると、中心部には髄核があり、それを取り囲むようにぐるぐる渦巻いている線維輪があります。この髄核が線維輪を突き破って飛び出してしまうのがHansenⅠ型(椎間板脱出型)で、髄核は飛び出さない程度に線維輪が盛り上がってしまうのがHansenⅡ型(椎間板突出型)です。


ともに脊髄を圧迫するので程度(分類としてはGrade1〜5まであります)によりますが、酔っ払いみたいに千鳥足な歩みになる子もいれば、完全に脚が麻痺してしまい痛みも感じないような子もいます。

確実な治療としてはこの圧迫している椎間板物質を外科的に取り除くことで症状の改善はみられますが(ただし、脊髄軟化症という状態になると何もすることはできません...)、最近では手術以外の治療方法も注目されています。


今回のケースは痛みは感じるんだけど完全に後肢麻痺になっているGrade4のダックスちゃんです。

CT・MRI検査をした上での外科手術を提案しましたが、本人の性格?も考えてこの『エラスポール』というお薬を使っています。

好中球エラスターゼ阻害剤という名の注射薬で、もともとは人間の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)といった肺障害に使用されるお薬ですが、獣医領域では椎間板ヘルニアの内科治療でスタンダードになっているステロイドに代わって使用されることがあります。

僕もこれまで勤務医時代を含め何度か使ってきましたが、投与量やスケジュールがイマイチ...だったのかあんまり良い手応えはありませんでした。

けど、この子にはまさにビンゴ‼︎
10日間連続投与なので飼い主さんには負担をかけてしまいますが、投与5日目で若干のふらつきはあるもののだいぶしっかりとした歩様になってきました♫

この調子ならステロイドからも脱却できるし、手術をしなくても済みそうな予感がします。
まぁ、欠点はちょっと高いお薬だということでしょうか... orz

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