問い合わせがあったので私自身の意見を書き込みたいと思います。
声帯切除に関しては賛否両論がありますので、あくまで私個人の一意見として読んでいただければと思います。
『声帯切除手術』とは文字通り、声帯(声帯ヒダ)を切除する手術です。
全身麻酔をかけて口腔内からアプローチする方法と喉を切開してアプローチする方法がありますが、前者では切除が不十分な場合があったり、後者ではより確実ですが侵襲性が高いため術後吐血する子もいます。
たまに誤解されている方がいますが、声帯を切除しても吠えます。
ただ「ワン!ワン!」「キャン!キャン!」だったのが「カフ!カフ!」や「ハフ!ハフ!」と声量が抑えられたかすれた鳴き方をするだけのことです。
場合によっては声帯が鍛えられ数年後には元に戻っちゃうこともあります。
なぜ、声帯を切るのか??と云えば、ほとんどの理由は「犬が吠えるから...」です。
犬は吠えます。人間だって喋るでしょ? それと同じです。
たいていは飼い主の『しつけ』ができていないことからはじまり、それに尽きます。
犬だって意味があって吠えるわけで、吠えるには吠えるなりの理由があるでしょうし、吠えることをコントロールせずに放置していた飼い主の責任ではないでしょうか?
たとえば、大好きな飼い主が仕事のため日中ずーっと1匹ケージの中で留守番していて、やっと夜遅くに帰ってきたらうれしくって仕方ないから吠えまくるでしょうね。
散歩にも連れて行かずずーっと引き籠っていたらそれはそれはストレス溜まるでしょうね。
または吠えてうるさいからといっておやつを与え続けていたら、犬は吠えればおやつもらえると勘違いしますからもらえるまで吠え続けるでしょうね。
もしかしたら恐怖心から吠えるているのかもしれません。
はたまた自分の存在意義を周囲に分からせるために吠え続けているのかもしれません。
まぁ理由はどうであれ、その結果、ご近所さんからの苦情・トラブルへと発展し、保健所にまで連れて行こうとする人もいます(現在はそんな身勝手な理由では保健所は引き取ってくれません)。
...解るとは思いますが、たいていは怠慢な飼い主のツケを犬たちが払わされることが多いんです。
犬は声帯を切除されてもストレスを感じない...なんてことを言う人もいますが、もしあなたが喉の病気のため声帯切除をして声を失ったらどうですか?
想像してみてください、自分の喋っている声が聞こえないんですよ?
精一杯に声を出しているのに自分の耳でも聞こえないし、相手にだって聞こえていない...
おしゃべり好きな私ならストレスというより絶望感に打ちひしがれると思います。
犬だっておそらく自分が吠えている声は自分の耳でしっかり聞こえているはずです。
それでも犬はストレスを感じていないとどうして言えるんでしょうか?
「去勢や避妊だって人間の勝手だろ? 自然のままの体にメスを入れているだろ?」と思う人もいるかもしれませんが、不妊手術は人間よりも高率で起こり得る生殖器の病気予防につながりますし、何よりも寿命が延びることが統計上証明されています。
ですので、私は基本的に上記のような理由での声帯切除はお断りしています。
10年前に新人だった頃に某ブリーダーの繁殖犬たちを何頭もやりましたけど、身勝手な理由そのもので憤りしか憶えませんでした。
他に、猫の爪取りや美容形成としてのドーベルマン・ボクサー・グレートデンの耳切り耳立てもお断りしています。
無駄吠えで悩んでいる方はまずは信頼できる獣医師やドッグトレーナーを探してください。
そして、トレーニングに励んでください。
お金...かかります。時間...かかります。
けど、それはあなたが愛犬に対しての本気度が足りずに、怠けたり、甘やかしたツケの代償だと思ってください。
声帯切除はそれからでも遅くはありませんから。
※なお、キン肉シールを貼られたたらおとこの文章はまったく関係性はありません ww
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