先日、70kg弱のグレートデンのイーサくんの去勢手術と予防的腹壁胃固定を行ないました。
『予防的腹壁胃固定』というのは、胸の深い大型犬に多い“胃拡張胃捻転症候群(GDV)”を未然に防ぐために行なう手術です。
胃はお腹の中では靱帯に吊るされてハンモックみたいにぶらんぶらんしている臓器です。
これが年齢とともに靱帯が伸びたり、ごはんを食べた後の急激な運動によって、胃が90°〜270°捻れてしまうとても致死率が高い病気です。
捻れてしまうので胃内には空気がパンパンに溜まり、胃と靱帯で隣接している脾臓も一緒に捻れて血行が遮断されてしまい、虚血性・壊死性の変化を起こします。
緊急手術を行なっても、再還流障害など死に至る可能性もあり、予後も安心できない大変こわ〜い病気なのです。Σ(,,oΔo,,*)
そこで、未然に胃の出口付近を右側の腹壁に固定しておくことで胃の捻れを防ぐという処置を行ないます。
大型犬社会の欧米では不妊手術の際に一緒に行なうことが多いんですが、日本では予防的にやられる方はまだまだ少ないように感じます。
ワクチン接種やフィラリア予防と同じで、病気になってからでは遅いんで可能な限り大型犬を飼ってらっしゃる方は考えてみてはいかがでしょうか? (=^ェ^=)
p.s
GDVは夜中に多い病気といわれています。
それは夕飯後に胃内にまだ食べ物が残っている状態で散歩等の運動をしてしまうことが原因と考えられています。
「散歩の後に夕飯」というスタイルにすることもGDVを予防する大切な心構えです!
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