こんばんわ。
こんな夜更けにブログの更新です ww
遊んでるわけじゃなくて、整形外科のネットセミナーアーカイブが今月末迄なんで再復習してます。
一昨日にあるワンコをCTとMRI検査のため二次診療施設(今回は私が新米時代に3年間勤務していた御師匠さんの病院です)で検査していただきました。
CTとはComputed Tomographyの略でコンピュータ断層撮影法といいます。
簡単にいえば、レントゲン撮影と同じX線ビームが被写体にあたってコンピュータが画像を再構成して断層写真を作り出します。
専用のソフトを使えば、3D画像も作成できちゃうんで、手術前にアプローチのイメージをするのに最適です。
X線がバンバン出ている検査ですので被曝はしますが、ヘリカルCT装置はあっという間に検査が終わるメリットがあるので、人間さんの病院では「まずCT検査!」ってくらいに当たり前の検査方法になっていますね。
一方、MRIはMagnetic Resonance Imagingの略で核磁気共鳴画像法といいます。
画像はCTと似ていますが、撮影メカニズムはまったく別物で、強力な磁場と電波を使って被写体中の水素原子核に焦点を当てて画像化する撮影法です。
ぼくら生き物の体の構成成分の70%は水でできていますから、そこを上手く利用した検査方法ですね。
CTと違い被曝はありませんが、時間がかかるのともの凄い音がします!
また、何テスラっている強力な電磁波が出ていますので検査室に携帯なんか持って入ったらお釈迦です... 泣
写真はMRI検査をしている最中のワンコですが、CTもMRI検査も正確なポジショニングが大事になってきますので、検査を受ける動物には全身麻酔が必要となってきます。
この“全身麻酔”に抵抗をもたれる方が多いですが、少しの間眠っている状態で検査をスムーズに終えた方が安全です。
もちろん、検査中もきちんと心電図や呼吸数をモニターしていますので、動物の状態を常にチェックしています。
これらの精密検査には以下のようなマイナス?面もあります。
①全身麻酔が必要
②限られた施設にしかない → CTは普及率があがりましたが、MRIは県内にも数える程しかありません。
③検査費用 → だいたい福沢諭吉が10人くらい必要になります。
ですから、何でもかんでもこういった精密検査が必要というわけではなく、血液・レントゲン・超音波検査など一般的な検査ではよく分からない病気に出くわした時に、“頼りになる検査”だということを認識してください。
今回も椎間板ヘルニアが一番疑われたのに、なんとなく症状がそれ以外のものを臭わせ、実際にCT・MRIを撮ってみたら脊髄腫瘍でした(これはレントゲンを撮っただけでは写らないのでわかりません)。
当院で手に負えない・できない検査や手術は、二次診療施設や専門の病院をご紹介致します。
これがホームドクターの大事な役割の一つだと思っています。
*この写真は以前に撮影したもので、今回の症例とは関係ありません
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